スティーヴ・ガッドは、アメリカ出身のドラマーです。
フュージョン、ジャズ、ブルース、ロック、ソウルの全てのジャンルでトップのミュージシャンと共演してきた「ドラムの神様」とまでいわれるドラマーです。
この記事では、そんなスティーヴ・ガッドの経歴や特徴など初めて聴く方向けに分かりやすく紹介します。
2024年には来日も予定しており、各地でスティーヴ・ガッドのドラムを聴くことができます。
目次
- 1 スティーヴ・ガッドの経歴
- 2 スティーヴ・ガッドの2024年来日情報
- 3 スティーヴ・ガッドの特徴
- 4 代表曲1 Do It Again – Stuff
- 5 代表曲2 Way Back Home – Gadd Gang
- 6 代表曲3 Night Sprite – Chick Corea
- 7 代表曲4 I shot the sheriff – Eric Clapton
- 8 代表曲5 Recado Bossa Nova - Manhattan Jazz Quintet
- 9 代表曲6 Spain – Al Jarreau
- 10 代表曲7 Take the A – Michel Petrucciani
- 11 代表曲8 Mercy On Your Soul – STEVE GADD BAND
- 12 Steve Gadd – drum solo
スティーヴ・ガッドの経歴
スティーヴ・ガッドは、1945年にアメリカのニューヨーク州に生まれたドラマーです。
幼少期から叔父の影響でドラムを習い始め小学生の頃はマーチング・バンドで活躍していました。
マンハッタン音楽学校とイーストマン音楽院で本格的に音楽を学び、1968年(23歳)でジャズピアニストとスタジオでレコーディングしたのが、初めてのレコーディングとなりました。
その頃から既にスタジオミュージシャンとして有名になり、ミルト・ジャクソン、チェット・ベイカー、ジム・ホールなどと共演しています。
1976年(31歳)フュージョンバンドのスタッフ(バンド名)のメンバーとして活動。
その後、自身でガッド・ギャングを結成します。
その頃には西のハーヴィー・メイソン、東のスティーヴ・ガッドとして人気を二分する存在になっていました。
ポール・サイモンの「50 Ways To Leave Your Lover」に参加。
チック・コリアのアルバムに参加。
1983年(42歳)マンハッタン・ジャズ・クインテットを設立。
1994年(49歳)エリック・クラプトンのツアーに参加。
1997年(52歳)ミシェル・ペトルチアーニのワールドツアーに参加。
2021年(76歳)ドラム練習用の楽譜である『GADDIMENTS』を販売。
スティーヴ・ガッドの2024年来日情報
スティーヴ・ガッドは、2024年1月に来日します。
スティーヴ・ガッド・バンド ジャパンツアー 2024
featuring マイケル・ランドウ、トラヴィス・カールトン、ジェフ・バブコ & ウォルト・ファウラー
山形テルサ 1月12日(金)
ブルーノート東京 1月14日(日)、15日(月)、17日(水)、18日(木)、19日(金)
石川県音楽堂 1月20日(土)
Billboard Live OSAKA 1月22日(月)
COTTON CLUB【東京】1月25日(木)
高崎芸術劇場 1月27日(土)
スティーヴ・ガッドの特徴
スティーヴ・ガッドは、「ドラムの神」と言われるほどのドラマーです。
その特徴としては、「機械のように正確なリズム」と「パラディドルを多用するフレージング」です。
ジャズドラマーのランキングでは、ベスト10にあまり入ってこないのが不思議なくらいです。
おそらくジャズ全盛期のドラマーではないということと、フュージョンからスタートしたことが理由ではないでしょうか。
素人の筆者が聴いても上手いと感じるのは、ドラムテクニックとしては相当上手いと思います。
筆者がジャズ初心者の頃、街でライブ演奏を聴く際、演奏途中のドラムソロを聴いていると、(プロ駆け出し程度のドラマーのソロは)手数はたくさんあってもリズムがどこにいったか分からなくなるソロを聴くことがありました。
その時てっきり「自分にリズム感がないんだ」と落ち込んでいましたが、ある時ジャズのベテランの人が「聴いている人にリズムを感じさせないドラムソロって、実は上手いドラマーではないんですよね。そう思って間違いないですよ。」と言って、とても腑に落ちたことがあります。
そう考えると、スティーヴ・ガッドのドラムソロは、派手に叩いている時も必ずしっかりとリズムを感じることができます。これが上手い理由ですね。
またフレージングの特徴としてパラディドルを多用しています。マーチング・バンドでよく聴くフレーズですね。
パラディドルを自由に扱えてテンポがびっくりするほど正確なのが、スティーヴ・ガッドの特徴です。
また、優れたミュージシャンの特徴として周りの音をよく聴いて調和させた音を出すことも重要ですが、スティーヴ・ガッドの演奏も周りの音とよく調和が取れている音を出しています。
素人レベルと比較するのも申し訳ないのですが、素人が集まるセッションに行くと音量が大きすぎるドラマーを時々見かけます。
そんなドラムには「一回、フロントで何かやってみて。」と言いたくなります。(言ったことないですが)
周りの音と調和させる音を出すことも優れたドラマーの条件ではないかと思っています。
ジャズ全盛期のドラマーと名前だけ比べると負けているのかもしれませんが、ドラムテクニックを比べるとあきらかにスティーヴ・ガッドの方が上です。
癖になるとまずいと思って我慢していますが、YOU TUBE のドラムソロを観ているとずっと観ていられるのがスティーヴ・ガッドのドラムです。
ドラム練習用の楽譜である『GADDIMENTS』を出していますし、ジャズ初心者にはおすすめするドラマーの一人です。