初心者におすすめのジャズピアニストを厳選して7人のみ紹介します。
・ネットで検索してもたくさん紹介されているので結局誰から聴いていいか迷っているジャズ初心者

この記事ではジャズピアノにフォーカスして、どのピアニストから聴いていけばいいか説明したいと思います。
思いおこせば、私が20代の頃、ジャズピアノをもっと知りたいと思ってよくツタヤでCDを借りていましたが、誰から聴いていいか分からなかったので手当たり次第に借りて聴いていました。
この記事では、初心者におすすめするジャズピアニストを初心者向けに7人にしぼって紹介します。
紹介は、生まれた順。

目次
デューク・エリントン スウィングジャズの巨匠
ジャズピアニストとしてデューク・エリントンをおすすめするには、最初どうかなと思っていました。
デューク・エリントンは、スウィングジャズで有名な人で、ジャズ史への功績は絶大な人ですが、私の中ではジャズピアニストとしての認識は薄かったからです。
ただ、この記事を書くにあたってジャズピアノを自分なりに調べてみると、多くの方がジャズピアニストとしてデューク・エリントンの名前を上げているので、ここでも紹介すべきと記事にしました。
・サテン・ドール
・キャラバン
・スウィングしなけりゃ意味がない
・Cジャムブルース
・ソフィスティケイテッド・レディ
デューク・エリントンの功績としては、今演奏されているジャズスタンダードナンバーを作ったことです。
彼のやったジャズは、スウィングジャズなので今セッションで演奏されるモダンジャズよりも古い演奏スタイルですが、今でも街のセッションハウスに行くとデューク・エリントンが作った曲がよく演奏されます。
でもデューク・エリントンは全て作曲している訳ではなく、彼の楽団で誰かに作曲させている曲も多いですね。もちろん作曲者としても素晴らしいのですが、音楽プロデューサーとかアレンジャーとしての能力が卓越しているのだと思います。
それにマイルス・デイビスの名言でもデューク・エリントンのことを語っています。
「全ての音楽家は、すくなくとも1年に1日は楽器を横においてエリントンにひざまずき、感謝の念を示すべきだ」
ジャズピアノだけにとどまらず、ジャズ史に功績を残したのがデューク・エリントンです。
セロニアス・モンク 孤高のジャズピアニスト
セロニアス・モンクはちょっと変わったピアニストですが、ジャズ初心者にもおすすめです。
時代的な背景もありますが、薬に手を出したり、精神的にも病んでいたようです。
情報も少なく確かなことも分からないようですが、多分本当でしょう。
セロニアス・モンクが活躍した時代は、チャーリー・パーカーと同じビバップの時代です。
モダンジャズが始まった時代ですよね。マイルス・デイビスより少し年上。
簡単に言うとジャズピアニストというより作曲者としての功績の方がすごいかもしれません。
今でもセッションに行くとセロニアス・モンクが作曲した曲が、よく演奏されます。
独特なメロディー。ちょっと突っかかるようなリズム。一度聴いたら忘れられない。
セロニアス・モンクのメロディーはとてもユニークなメロディーですよね。
・ブルー・モンク
・ストレート・ノー・チェイサー
・I mean you
この時代の録音は、録音状態もよくないのでセロニアス・モンクの演奏を聴いて、とても気持ちいいとは思えないのですが、ジャズ初心者の方にもこのメロディーは是非聴いてほしいです。
オスカー・ピーターソン 「鍵盤の皇帝」スウィングジャズピアニスト
オスカー・ピータンソンの演奏は、ものすごくハッピーで初めてジャズピアノを聴く人にはおすすめです。
「鍵盤の皇帝」と異名をとり88鍵をフルに使い、ピアノをオーケストラのように操ります。
私は、大昔(1990年代)大阪ブルーノートでオスカー・ピーターソンの演奏を聴いたことがあります。
当時すでに高齢になっていたオスカー・ピーターソンは、歩く時はかなりスローでしたが、ピアノを弾く指は驚くほど健在で、大きな手で鍵盤をはう様に激しく弾いていたことを思い出します。
日本の有名ピアニストの小曽根真さんもオスカー・ピーターソンの演奏を聴いてオルガンからピアノを弾くようになり、しばらくオスカー・ピーターソンのアドリブを参考にアドリブをしていたとどこかに書かれていました。
とにかくハッピーなジャズピアノですので、ジャズ初心者の方は是非聴いてみてください。
ビル・エバンス ジャズピアニスト NO.1
ジャズピジャズピアニストNO.1は誰か?と質問を受けると多くの人が、ビル・エバンスと答えるでしょう。
ジャズ初心者には、必須のジャズピアニストです。
ビル・エバンスより前にピアノトリオのスタイルはありましたが、ビル・エバンスがジャズにクラシックの要素を取り入れ芸術性を高めたと言われています。
また、ピアノ、ベース、ドラムがより密に絡みあい、よりスリリングな演奏をするようになりました。
マイルス・デイビスが「カインド・オブ・ブルー」でモードジャズの金字塔を打ち立てましたが、その時バンドを辞めることが決まっていたビル・エバンスを一時的に戻して録音したという逸話が残されています。
結局、ビル・エバンスは自分でリーダーをやりたいと、マイルス・デイビスと長くは続かなかったようです。
その後、ジャズ史に名前を残す「ワルツ・フォー・デビー」を発表しています。
この時にベースをしたスコット・ラファロは覚えておいてください。
スコット・ラファロは、なんとワルツ・フォー・デビー録音の11日後に交通事故で25歳の若さで亡くなっています。残念です。
ビル・エバンス以降のジャズピアニストは、ほとんどビル・エバンスの影響を受けていると言っても過言ではありません。
もしも「ビル・エバンスの演奏を聴いたことがない」というジャズピアニストがいたとしても、他のほとんどのピアニストはビル・エバンスの影響を受けているので、間接的にビル・エバンスの影響を受けていることになります。
ジャズには、「オシャレ」「大人」「渋い」などかっこいいイメージがありますが、マイルス・デイビスと共にこのような形容がぴったりくるのが、ビル・エバンスです。
もはや猫背の演奏スタイルまでがかっこいいと思ってしまいます。
ハービー・ハンコック 現代ジャズの第一人者
ハービー・ハンコックは、現代ジャズの第一人者です。
年齢もかなり上になりましたが、誰とでも包み込むように一緒にやれる、人としての大きさを感じます。
ちなみにこの後紹介するチック・コリアとキース・ジャレットと年齢が近いので3人まとめて紹介することにしました。
年齢は、2020年時点でハービー・ハンコックが79歳、チック・コリア78歳、キース・ジャレット74歳です。


この3人は皆マイルス・デイビスと一緒にやっていましたが、一番長くやったのがハービー・ハンコックです。
バンドに誘われて初めてマイルス・デイビスに呼ばれて彼の前で演奏した時にマイルスからしゃがれた声で言われたそうです。
「ナイスターチッ!」
「マイルス・デイビス自叙伝」に書いていたのを思い出しました。
演奏スタイルもジャズからはじめてロック、ファンクなど多岐にわたっています。
モダンジャズもたくさん演奏が残っていますが、ジャズセッションでも時々演奏される「カンタロープ・アイランド」を聴いてみてください。
ジャズ初心者なら避けては通れない存在です。
チック・コリア 超絶技巧のピアニスト
チック・コリア 死去
2021年2月9日 チック・コリア氏は、がんで亡くなりました。79歳でした。
謹んでお悔やみ申し上げます。
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チック・コリアは、ハービー・ハンコックの後にマイルス・デイビスグループに入った超絶技巧のピアニストです。
チック・コリアの有名な曲は、ジャズヒュージョンの最大級のヒットになった「リターン・トゥ・フォーエバー」です。
そして現在日本のジャズ中級者のバイブルのような曲、「スペイン」もとても有名です。
チック・コリアの特徴は、イタリア系とスペイン系の引くためか、ラテンのリズムが得意です。
私は、チック・コリアも大阪時代に大阪ブルーノートに聴きに行きましたが、ピアノのテクニックはもちろんですが、ドラムソロでピアノが休んでいる時もそのリズムにじっとしていられないようで、ピアノを叩くなどリズムをとっていたのが印象的でした。
キース・ジャレット ピアノの可能性を探求し続けるピアニスト
キース・ジャレットもマイルス・デイビスのバンドに少し加入しています。「ビッチェズ・ブリュー」の頃で、チック・コリアとツインキーボードという贅沢なメンバー編成でした。
キース・ジャレットも何度か生で演奏を聴いたことがあります。
上手い人の演奏の場合、「すごい」「素晴らしい」という形容詞が浮かびますが、キース・ジャレットの場合は、「美しい」でした。
そしてキース・ジャレットの特徴は、唸(うな)りながら演奏することですね。
この唸りは、完全に賛否両論あります。気になる人は、気になると思います。演奏しながら唸るわけですから。
それもメロディーになっているわけでもなく、コード音でもなく、雑音の唸りです。
私は、なぜかほとんど気にならないんですよね。
それと、有名なのはソロピアノ。
「ケルンコンサート」は若い頃は1年に1回はCDで聴いていました。ケルンコンサートの出だしはちょっとかったるいですが、聴いていると「美しい」と感じるようになります。
ジャズ初心者に一番でおすすめしたい訳ではないジャズピアニストですが、キース・ジャレットを聴くことでジャズの奥深さを感じることが出来ます。
初心者におすすめのジャズピアニストのまとめ
よくジャズピアニストを検索すると一気にたくさんのピアニストが紹介されており、結局誰を聴けばいいか分からないままになっていました。
今回は、そうならない為に個人的意見ですが、厳選して7名のみの紹介にしました。
まだまだジャズピアニストとしては紹介しきれてないですが、今回紹介した7名はジャズピアニストの基本中の基本になります。
ジャズ初心者の方は、少しずつ聴いてみてジャズピアノについて詳しくなってくださいね。