もしも、ジャズが好きで具体的にこの人の音楽が好きと、はっきり決まっている人は、当然ながら自分の好きなミュージシャンから聴いてもらえば全く問題ないのですが、漠然とジャズが好きで、それでも誰から聴いていいか分からない場合は、マイルス・デイビスから聴くことを絶対におすすめします。
では、順にご説明していきます。
目次
・少しだけジャズの歴史。「かっこいい」「おしゃれ」「大人」というジャズのイメージは、モダンジャズにあります。
少しだけジャズの歴史を紹介しますね。
ひと言でジャズと言ってもジャズというジャンルの音楽は結構幅広く華やかなジャズ、庶民的なジャズ、かっこよさを追求したジャズなどいろいろな音楽をジャズと言っています。
ジャズは、アメリカのニューオリンズで誕生していますが、その後デューク・エリントンやグレンミラーという人がビッグバンドで綺麗なメロディーとハーモニーでジャズを演奏するようになり発展しました。
この頃のジャズは、まさに華やか。今の日本人がジャズに対して「かっこいい」「おしゃれ」「大人」というイメージを持っているに対して、かなりイメージが違います。
その後、ビバップからモダンジャズが誕生しますが、このモダンジャズでいろいろなことを試してジャズを発展させるのに大きく貢献したのがマイルス・デイビスです。
そしてこのモダンジャズのイメージが、「かっこいい」「おしゃれ」「大人」のイメージです。
一般的にジャズが好きという日本人は、このモダンジャズのことを言っています。
時々、ビックバンドのジャズが好きと言う人ももちろんいますが、特にジャズ初心者の方でジャズに興味があるという人は、このモダンジャズのことを言っています。
ちなみにマイルス・デイビスは、モダンジャズだけをやっていた訳ではなく、そこからエレクトリックジャズやヒュージョンの元となる音楽を作るなど晩年はモダンジャズをやっていません。
「ジャズの帝王」マイルス・デイビスと一緒にやっていたミュージシャンはすごい
マイルス・デイビスは、「ジャズの帝王」と言われています。
特にすごいところは、マイルス・デイビスが目をつけて一緒にバンドをやった人達ほとんどがその後有名になりジャズのレジェンドとしてジャズの歴史に名前を刻んでいます。
なので、マイルス・デイビスを知って一緒にやっていたミュージシャンにも興味を持って詳しくなっていくと、それがそのままモダンジャズの歴史を知ることになります。
マイルス・デイビス以前に活躍したデューク・エリントンやグレンミラーもジャズ発展に貢献しています。
サッチモの愛称で親しまれるルイ・アームストロング、ジャズボーカルのスター、フランク・シナトラも有名ですが、モダンジャズへの貢献度は、マイルス・デイビス抜きでは語ることが出来ません。
マイルス・デイビス以前に活躍してマイルスが、憧れていたミュージシャンには、チャーリー・パーカーやデイジー・ガレスピーがいます。
またマイルス・デイビスと一緒にやっていてその後ジャズの歴史を作ったミュージシャンには、ジョン・コルトレーンやビル・エバンスがいます。
今も活躍しており生きる伝説となっている人では、ウェイン・ショーター、ロン・カーター、チック・コリア、キース・ジャレット、ハービー・ハンコックなど上げればきりがありません。
マーカス・ミラーがマイルス・デイビスの為に書いたと言われる「TUTU」は、スケースの大きな曲ですが、ファンクという枠を超えて音楽史に残る名曲だと個人的に思っています。
晩年は、プリンスの音楽も評価しており同じステージで演奏していました。
とにかくマイルス・デイビスを知ることでますますジャズに詳しくなるということです。
参考までにマイルス・デイビスの半生を書いた「マイルス・デイビス自叙伝」という本がありますが、この本を読むとほとんどモダンジャズの歴史が分かります。お勧めの本です。
マイルス・デイビスのすごさは、モードジャズ
マイルスはジャズの世界でいろいろなことを試しながら音を作ってきましたが、その中で彼の一番の功績がモードジャズを完成させた「カインド・オブ・ブルー」です。
難しいことはあまり説明できないのですが、とにかくかっこいいです。
この音楽にはまる人は、はまります。
ここはとても大事なところなのでもう一度言います。かっこいいです。
取り敢えずウィキペディアの掲載されていたモードジャズは、「コード進行を主体とせず、モードに基づく旋律による進行に変更したもの」らしいです。
やっぱり聴いてもらうのが一番分かりやすいので、こちらをどうぞ
「カインド・オブ・ブルー」
マイルス・デイビスの名言集
「ジャズの帝王」と言われるだけのことはあって名言もたくさん残しています。
マイルスがジャズを進化させてどんどん新しい音楽を作っている時、ある記者が質問したそうです。
「あなたの曲は、今までのジャズと違いますね。ジャンルは何というジャンルですか。これもジャズですか?」
マイルスが答えました。
「My music is Miles Davis」
他には
「半年前と同じ演奏をするなんて、俺には恥ずかしくてできない」
「俺はそいつがスウィングさえできれば、そいつが緑の息を吐く紫色したやつだろうが構やしない」
ジャズが好きで具体的に聴きたいミュージシャンが決まっていたら問題ない話ですが、「ジャズが好きだけれど誰から聴いたらいいか分からない」という質問に対してはマイルス・デイビスをおすすめします。
ジャズを好きになってもらうことは、嬉しいかぎりですが、奥が深いだけにあまり深みにはまらないようお気をつけください。