トニー・ウィリアムスは、10代よりジャズの第一線で活躍した天才と言われるドラム奏者です。
モダン・ジャズからロックまでは幅広く演奏し、多くの後輩達に多大な影響を与えてきました。
この記事では、トニー・ウィリアムスの経歴と代表曲など、どこよりもジャズ初心者に分かりやすく紹介しています。
目次
- 1 トニー・ウィリアムスの経歴
- 2 トニー・ウィリアムスの特徴
- 3 代表曲1 Autumn Leaves – Miles Davis Quintet(黄金のクインテット)
- 4 代表曲2 Emergency – The Tony Williams Lifetime
- 5 代表曲3 Sister Cheryl – Tony Williams Quintet
- 6 代表曲4 Eye Of The Hurricane – VSOP The Quintet Reunion
- 7 代表曲5 Dark Prince – Trio Of Doom
- 8 代表曲6 Foreign Intrigue
- 9 代表曲7 Arcana: Arc Of The Testimony
- 10 代表曲8 Lost – Wayne Shorter
- 11 代表曲9 Maiden Voyage – Herbie Hancock
トニー・ウィリアムスの経歴
トニー・ウィリアムスは、1945年にシカゴで生まれたジャズ・ドラム奏者、作曲家です。(マイルス・デイヴィスの19歳年下)
13歳で音楽活動を開始しして、1962年(16歳)にはジャッキー・マクリーンから声を掛けられニューヨークに移住します。
1963年(17歳)マイルス・デイヴィスにスカウトされ、当時「黄金のカルテット」のメンバーとして活躍する機会を得ました。
ここには6年間在籍。
その後、ジャズの世界がロックに傾倒する中、トニーも同様にロックに傾倒し「トニー・ウィリアムス・ライフタイム」を結成しました。
1975年(30歳)「グレート・ジャズ・トリオ」を結成。 メンバー:ハンク・ジョーンズ、ロン・カーター

トニー・ウィリアムスは日本との繋がりも多く、渡辺貞夫や日野照正と共演しアルバムへも参加しています。
1976年(31歳)ハービー・ハンコックが率いる「V.S.O.P.クインテット」にも参加しています。
若くして第一線で活躍しているトニーですが、その後も多くのレジェンド達と共演してきました。
1997年(51歳)死去
トニー・ウィリアムスの特徴
トニー・ウィリアムスの特徴をひと言で表すと「音量」と「疾走感」だと思います。
筆者は、ジャズの演奏でドラムの音が大きすぎるのはあまり好みではありません。
フロント楽器を全面に押し出せるドラムの方が好きです。
ただ、トニー・ウィリアムスは、ドラムのレジェンドなのに音が大きいドラマーです。それでも心地よく聴こえるのは、やはりテクニックがすごいのだと思います。
トニーはよく練習をしていたのも有名な話です。
10代でマイルスのバンドに抜擢されるくらいなので生まれ持った才能もあっただろうと想像しますが、それでも練習量が半端なかったとういことも驚きです。
あのマイルス・デイヴィスに対しても「もっと練習した方がいい」と言ったとか。
またドラムのテクニックとしても革新的なドラミングを生み出しており、ハイハットを4拍子で叩くなど斬新なアイデアもトニーが始めたと言われています。
フィリー・ジョー・ジョーンズ
エルビン・ジョーンズ
トニー・ウィリアムス
ジャズのレジェンドと言ってもジャズファンにとって好みもあると思います。
トニー・ウィリアムスの場合、筆者としては音量問題がどうしてもあるのですが、あのマイルス・デイヴィスが認めていること、10代でマイルスバンドに加入していることなどを考えると聴かないわけにはいかないドラマーの一人であることは間違いないです。
ドラムの音量について思うこと
ジャズのセッションに行くと音の大きな素人のドラムが結構多くて、よく仲間内で「もっと静かに叩けないのかね」と愚痴っていました。
ある日、セッション終わりにベースのセッションホストの方と雑談になって、ドラムの音が大きいのはダサいと思っていた筆者は、「ドラムって音量大事ですよ。」と確認したことがあります。
その時「音量が一番ですね。」とセッションホストの方は言っていました。
しばらくたってyoutubeを見ているとマイルス・デイヴィス大先生の話がありました。
トニー・ウィリアムスのドラムの音が大きいと感じていたハービー・ハンコックがマイルスに対して「ドラムの音量を下げた方がいいのでは」と提案したことがあったそうです。
それに対しマイルスは「お前の音量を上げろ」だったそうです。
音楽は変にまとまりを求めるよりもグイグイ引っ張ていく疾走感が大事ということですね。