ポール・モチアンは、アメリカ出身のジャズ・ドラマーです。
ビル・エヴァンス、スコット・ラファロとともに革新的な演奏スタイルのピアノ・トリオのメンバーとして活躍し、生涯にわたりミュージシャンやファンに影響を与えてきました。
この記事では、ポール・モチアンの経歴と代表曲をジャズ初心者に分かりやすく紹介していきます。
目次
- 1 ポール・モチアンの経歴
- 2 ポール・モチアンの特徴
- 3 代表曲1 Look to the Black Wall
- 4 代表曲2 Waltz For Debby – Bill Evans Trio
- 5 代表曲3 Sunday at the Village Vanguard – Bill Evans
- 6 代表曲4 My Back Pages – Keith Jarrett Trio
- 7 代表曲5 Death And The Flower – Keith Jarrett Trio
- 8 代表曲6 Conception Vessel
- 9 代表曲7 Mumbo Jumbo
- 10 代表曲8 How Deep Is the Ocean
ポール・モチアンの経歴
ポール・モチアンは、1931年にアメリカのペンシルヴァニア州で生まれたジャズ・ドラマーです。
ニューヨークに移住してセロニアス・モンク、トニー・スコットらと共演した後、1959年(28歳)にビル・エヴァンスとトリオ活動を始めます。
そのトリオのメンバー、スコット・ラファロが1961年に交通事故で死去することで解消されてしまいますが、トリオ時代に『ワルツ・フォー・デビイ』『サンディ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード』などの名曲を残しました。
ビル・エヴァンスとスコット・ラファロとのトリオでは、リバーサイド4部作と言われ、革新的な演奏スタイルでジャズ史に名を刻むことになりました。
1963年(32歳)ピアノのポール・ブレイと共演します。
1967年(36歳)当時駆け出しのキース・ジャレットと共演してキースとのバンドは9年ほど続きました。
1968年(37歳)チャールズ・ロイド・カルテットに参加。
1972年(41歳)ポール・モチアン初のリーダー作『コンセプション・ヴェッセル』をリリース。
1970代後半からはECMに在籍し、作曲家・グループリーダーとして当時のジャズ・シーンを牽引してきました。
晩年には、「エレクトリック・ビバップ・バンド」や、ジャズのライブハウスで知られるヴィレッジ・ヴァンガードでの演奏など、現代ジャズ・シーンに台頭する多くの若手と積極的に共演し勢力時に活動を続けました。
ポール・モチアンは、ジャズ界でミュージシャンからも尊敬される存在であり、その演奏スタイルと作曲能力によって多くのファンを魅了しました。
2011年(80歳)死去。
ポール・モチアンの特徴
ポール・モチアンは、ビル・エヴァンスとジャズのピアノ・トリオに革新的な演奏スタイルを取り入れたミュージシャンです。
ちなみに何が革新的かと言うと、今まではベースはリズムセクションとして基本的ないわゆるベースラインを弾いていたところを、スコット・ラファロは、ピアノのメロディーと絡みながらメロディアスなベースを演奏するところです。
それに加えてドラムもリズム隊に徹するのではなく、ピアノとベースと絡み合って歌うような演奏をしたことです。
ただ、この演奏スタイルのなかった時代で育った人が、ビル・エヴァンス・トリオの演奏を聴くと衝撃を受けるのだと思いますが、現代人はさまざまな音楽を聴いたうえで、「ジャズを聴いてみよう」と思い、そこでこのトリオの演奏を聴くことになりますが、そうすると少しピンと来ないのかもしれません。
それが、私です。
おそらくやっていることは、ジャズの歴史的にはすごい事なのですが、たしかにすごいことだとは思うのですが、インパクトに欠けると思ってしまいます。
そんなビル・エヴァンスとの演奏の後に、これもまたジャズ・ピアニストとしては最高峰のキース・ジャレットとも長く演奏を続けてきたのが、ポール・モチアンです。
そう考えるとジャズのピアノ・トリオにおいてポール・モチアンの存在はとても大きな存在と言えます。
今回記事を書くにあたってポール・モチアン自身がどんな音楽をやっていたのか調べてみましたが、ポール・モチアンがリーダーで作っている音楽はかなり難易度が高いです。
ハッキリ言います。
よく分かりません。
もっとハッキリ言うと、聴いていて面白くないんです。
おそらくメロディアスなドラムを目指しすぎて、一般のリズム好きな視聴者からは遠い存在になっているように思います。
下記にポール・モチアンの代表曲を紹介していますが、ビル・エヴァンスやキース・ジャレットと演奏するポール・モチアンはGoodなのですが、リーダー作になるととたんに聴きづらくなります。
ジャズ初心者向けに書いているブログとしては、表現が難しいところなのですが、ジャズのピアノ・トリオにおいてポール・モチアンのやってきた功績は非常に大きいので、ピアノ・トリオに興味のある方は、一度聴いてみてはいかがでしょうか?