レスター・ヤングは、スウィングジャズ時代に活躍したテナーサックス奏者、クラリネット奏者です。
その後のチャーリ・パーカーに影響を与えビバップの発展に繋がりました。
この記事では、レスター・ヤングの経歴から実績をジャズ初心者向けに分かりやすく紹介し、レスター・ヤングの代表曲を聴いてもらいたいと思います。
目次
- 1 レスター・ヤングの経歴
- 2 レスター・ヤングとコールマン・ホーキンスの関係
- 3 レスター・ヤングのカウント・ベイシー楽団時代
- 4 レスター・ヤングの兵役から晩年
- 5 代表曲1 Mean To Me
- 6 代表曲2 オール・オブ・ミー
- 7 代表曲3 「INDIANA」Lester Young, Count Basie
- 8 代表曲4 There will never be another you
- 9 代表曲5 Somebody Loves Me
- 10 代表曲6 「Stardust」 Lester Young & The Oscar Peterson Trio
- 11 代表曲7 「Without Your Love」 Billie Holiday ft. Lester Young (Tenor Sax)
レスター・ヤングの経歴
レスター・ヤングは、1909年ミシシッピ州で生まれ(デューク・エリントンより10歳年下)、生まれて間もない頃に、家族と共にルイジアナ州のニューオーリンズに移住しました。
レスター・ヤングの父親は、さまざまな楽器に精通しておりレスターにあらゆる楽器を教えました。レスターは、最初にヴァイオリンを覚え、その後トランペット、ドラムス、サックスを習得することになります。
最初、父親がリーダーとなるファミリーバンドに所属していましたが、19歳で独立しいくつかのバンドを経験した後にカウント・ベイシー楽団に所属しました。

レスター・ヤングとコールマン・ホーキンスの関係
レスター・ヤングは、カウント・ベイシー楽団で実力をつけ、当時人気絶頂だったコールマン・ホーキンスの後任としてフレッチャー・ヘンダーソン楽団に入りました。
しかし、ホーキンスの後釜として期待に応えられず、まもなくフレッチャー・ヘンダーソン楽団を辞め、最終的にベイシー楽団に戻ることになります。
コールマン・ホーキンスとは
コールマン・ホーキンスは、レスター・ヤングより5歳年上のテナーサックス奏者です。フレッチャー・ヘンダーソン楽団に所属しルイ・アームストロングに影響を受け即興演奏のスタイルを確率します。
コールマン・ホーキンスは、それまで伴奏楽器としての役割が強かったテナーサックスを花形楽器に押し上げた立役者で「サックスの父」と呼ばれています。
当時のコールマン・ホーキンスの演奏は、男性的で豪快な演奏をして一世風靡していましたが、レスター・ヤングの演奏は、繊細でソフトなメロディアスな演奏だった為、フレッチャー・ヘンダーソン楽団では、人気が出なかったわけです。


レスター・ヤングのカウント・ベイシー楽団時代
レスター・ヤングは、1936年(27歳)、カウント・ベイシー楽団に舞い戻り、この楽団でブレイクします。その後の全盛期は1940年まで続きました。
レスター・ヤングの特徴であるメロディアスで次から次への溢れ出るフレーズとベイシー楽団のスウィングの相性がよく、時代を牽引しました。
また、ベイシー楽団では、ビリー・ホリデイと出会い、お互い刺激をし合う仲になります。
ビリー・ホリデイがテナーサックス奏者のプレジデント(代表)という意味でプレス(Pres )とレスターのことを呼ぶようになりました。
レスター・ヤングは、ビリー・ホリデイと音楽の良き理解者だけに留まらず、飲み仲間、薬仲間として最後まで繋がりはありました。


レスター・ヤングの兵役から晩年
レスターは、1944年(35歳)に兵役で軍隊に入りましたが、そこでひどい人種差別を受けたこともあって病気になり1年ほどで除隊になります。
この短い軍隊生活がレスターの心身に大きな傷を負わせ、その後は自己のバンドなどで演奏もしていましたが、体調は元に戻らず何度も入退院を繰り返すことになります。
その後も酒と薬で心身ともにボロボロになり、1959年パリから帰国直後の3月15日に亡くなりました。
レスター・ヤングの名言
「歌詞を忘れたから、吹けない」
歌うように即興演奏をしていたレスター・ヤングが言った言葉として有名。
Coolという言葉‐ウィキペディアより‐
1930年代頃より、黒人の間で英単語“cool”を「涼しい」という元の意味から転じて「冷静な雰囲気でお洒落である」という表現に使うスラング用法が存在していたが、このレスターの落ち着いた演奏スタイルがしばしばこの意味で形容されて支持を得ていったことで、世間一般にもこのスラングが広まったと言われる。
代表曲1 Mean To Me
代表曲2 オール・オブ・ミー
ジャズを習うと必ずと言っていいほど練習する曲「オール・オブ・ミー」です。
即興演奏の基本がこのレスター・ヤングの演奏と言っても過言ではありません。
代表曲3 「INDIANA」Lester Young, Count Basie
代表曲4 There will never be another you
代表曲5 Somebody Loves Me
ピアノ:ナット・キング・コール、ドラム:バディー・リッチの最強トリオですね。