ソニー・ロリンズは、アメリカのニューヨーク生まれのテナー・サックス奏者です。
ジャズにあまり馴染みのない人でも「セント・トーマス」は、おそらく聴いたことあると思います。
ジャズは、誰から聴いていいか分からないというジャズ初心者の人には、ソニー・ロリンズの演奏はおすすめです。リズム感あり、メロディアスなアドリブなどとても聴きやすいので、是非このブログを読んで、まずはざっくりソニー・ロリンズを理解してくださいね。
目次
ソニー・ロリンズの経歴
ソニー・ロリンズは、1930年生まれ、アメリカのニューヨーク生まれのテナー・サックス奏者です。(マイルス・デイヴィスの4つ年下)
9歳でピアノを習い、11歳でアルト・サックスを学び、高校時代にテナー・サックスに転向しました。
当時、サックスの大御所コールマン・ホーキンスの家の近所の住んでいたこともあり、自宅に押し掛けたこともあったとか。
1949年(19歳)には本格的にプロになりレコーディングを初体験しています。
1950年(20歳)にはマイルス・デイヴィスと会ってセッションを行い、51年には初めてのリーダーバンドを経験しています。
やはりソニー・ロリンズには下済みなど無縁でその後は、チャーリー・パーカーとも共演し、本人のリーダー・セッションでは、モダン・ジャズ・カルテットがバックを務めています。

「サキソフォン・コロッサス」発表
1954年(24歳)のリーダー・アルバム「サキソフォン・コロッサス」が発表され、評価も高く一躍ソニー・ロリンズの知名度が上がりました。
アルバム「サキソフォン・コロッサス」の「セント・トーマス」は、ジャマイカのカリプソというリズムをジャズに初めて取り入れた曲として有名です。
ソニー・ロリンズの引退
1959年(29歳)ソニー・ロリンズは人気絶頂の頃、「自分の演奏を見つめなおす」ために突如引退しています。
当初近くの公園で練習をしていましたが、苦情が出たため、橋の近くに移したと言われています。

ソニー・ロリンズの復活
1961年(31歳)ソニー・ロリンズは、活動を再開します。
復帰後の初めてのアルバムは、引退時代に練習場所にしていたにちなんで「橋」となりました。
1963年(33歳)ソニー・ロリンズは、初めて来日を果し公演を行いました。
演奏だけでなくモヒカン刈りの頭で日本のジャズファンに強烈な印象を残しています。
その後は、エレクトリック・ジャズの分野に挑戦し、無伴奏のサックス・ソロを演奏しそのライブ・アルバムも発売。
ジャズとクラシック音楽の融合にも果敢に挑戦しています。
2010年(80歳)ソニー・ロリンズは、80歳記念ツアーを行って今なお健在です。
ソニー・ロリンズの特徴
ソニー・ロリンズの演奏は、とにかく聴きやすいです。
勝手に想像するとお客さんのために分かりやすい演奏を心がけてくれているような気がします。
ジャズは、時々難しいと言われることがありますが、演奏家が上から目線でお客さんのことを無視しているように感じることがあります。
ソニー・ロリンズの演奏には、そのように感じることは全くありません。
「セント・トーマス」は、ジャズをあまり聴いたことない人でも一度は耳にしたことがあるのではないかと思います。

アルバムに収録されている「セント・トーマス」のアドリブは、出だしてで「ド」と「ソ」だけのアドリブとしてとても有名です。
楽器初心者もリスペクトの意味を込めて完全コピーする気持ちで演奏しても全く問題ありません。
下記でも紹介しているテナー・マッドネス(Tenor Madness)は、もう一人のテナー・サックスのレジェンド、ジョン・コルトレーンとの共演でも話題に上がります。
実は、二人はソニー・ロリンズの方が年下ですが当時はまだコルトレーンの方が格下だったとか。
それでも二人とも一歩も譲らず息をのむようなアドリブ合戦でした。
テナー・マッドネス(Tenor Madness)をジャズ史上最高のアルバムとする人がいるのもうなずける一枚です。
ソニー・ロリンズの演奏は、ジャズ初心者にお手本となるような、聴きやすくて参考になるはずです。