ステファン・グラッペリは、フランス出身のジャズ・ヴァイオリニストです。
ヴァイオリンという楽器は、クラッシック音楽の花形楽器のイメージが強いと思います。
ジャズ・ヴァイオリンを演奏しているレジェンドも少ながらずいますが、その中でも断トツの知名度を誇るのが、ステファン・グラッペリです。
ジャズ初心者でジャズ・ヴァイオリンに興味を持ったら、まずはステファン・グラッペリから聴いてみましょう。
目次
- 1 ステファン・グラッペリの経歴
- 2 ステファン・グラッペリの特徴
- 3 代表曲1 How High The Moon
- 4 代表曲2 Bye Bye Blackbird – with Toots Thielemans
- 5 代表曲3 煙が目にしみる
- 6 代表曲4 Django
- 7 代表曲5 Autumn Leaves – Afternoon in Paris
- 8 代表曲6 Them There Eyes – Peterson-Grappelli Quartet Vol. 1
- 9 代表曲7 Djangology – Young Django
- 10 代表曲8 Perdido – Stephane Grappelli & Barney Kessel
ステファン・グラッペリの経歴
ステファン・グラッペリは、1908年にフランスのパリで生まれたジャズ・ヴァイオリニストです。
母親は、彼が4歳の時に死去。12歳頃より路上などでヴァイオリンを弾いて日銭を稼いでいました。
1923年(15歳)頃からプロとして活動を始め、サイレント映画上演の際に演奏を行っていました。
1934年(26歳)ギタリストのジャンゴ・ラインハルトとジャズ楽団「フランス・ホット・クラブ五重奏団」を結成します。
フランス・ホット・クラブ五重奏団は、ヨーロッパのジャズにおける初期の重要な楽団のひとつで、弦楽器のみで構成されジプシー・ジャズのスタイルを広めていったと言われています。
本場アメリカのジャズとは雰囲気が異なるジャズを演奏し、1948年(40歳)まで続けました。
ステファン・グラッペリは晩年、ジャズ以外の分野である演奏家と共演し高い評価を得ました。
クラシック分野ではヨーヨー・マ。ロック界ではピンク・フロイドと共演。
また、映画音楽も手掛け、グラッペリの人生をまとめたドキュメンタリーもDVDとして発売されています。
1997年(89歳)死去
ステファン・グラッペリの特徴
ステファン・グラッペリは、間違いなくジャズ・ヴァイオリニストの第一人者です。
ジャズ上級者ではない筆者でもかなり前から名前は知っていたので知名度は相当のものです。
ところが、モダン・ジャズをジャズの主流とすると、ステファン・グラッペリの演奏は主流ではありません。
ジャズのジャンルのひとつに、ジプシー・ジャズがありますが、そのジプシー・ジャズをジャンゴ・ラインハルトと共に作ったのが、ステファン・グラッペリになります。
1997年まで生きていますが、演奏にはモダン・ジャズの陰はなく、いつまでも明るく楽しいジャズです。
演奏の特徴は、綺麗なヴァイオリンの音を目指しているというよりも、正確な速弾きを目指しているというイメージです。
どこまでも泉のように湧き出てくるハッピーなアドリブは、さすがです。
ヴァイオリンという楽器は、音色が重要とのイメージがありますが、ステファン・グラッペリの音質は、他のヴァイオリニストと比べて音質がいい訳ではありません。
音質はそれほど重視してないと思います。

ジャズは、リズムが細かくアタックが強い方が、楽器としてはジャズ向きだと思いますが、それでもアタックの弱い楽器のヴァイオリンでここまで知名度を上げたのは、ステファン・グラッペリの功績に間違いありません。
クラシックを好きな人が、ジャズを聴くには、ステファン・グラッペリの演奏は最適だと思います。
ただ、ステファン・グラッペリはフランス人で、本場のジャズとは異質のジプシー・ジャズからレジェンドになった人なので、他のジャズ・レジェンド達と比較するべきではないと思います。
明るく楽しいジャズとヴァイオリンの音色に興味を持った人には、おすすめするジャズ・ヴァイオリニストです。
読み物として興味深いブログがありましたので最後に紹介します。
「高橋青年のステファン・グラッペリ物語」