レイ・ブラウンは、アメリカのピッツバーグ出身のジャズ・ベーシストです。
スウィング期、ビバップ期のジャズ全盛期に活躍したベーシストでボーカリストのエラ・フィッツジェラルドと結婚していました。
この記事ではジャズ初心者に向けてレイ・ブラウンのことを分かりやすく説明いたします。
目次
- 1 レイ・ブラウンの経歴
- 2 レイ・ブラウンの特徴
- 3 代表曲1 You Look Good To Me – Oscar Peterson Trio
- 4 代表曲2 Love for Sale – Oscar Peterson Trio
- 5 代表曲3 Lined With A Groove – Ray Brown/Milt Jackson
- 6 代表曲4 Bric A Brac – This Is Ray Brown
- 7 代表曲5 Summertime-Ray Brown Trio with Ulf Wakenius.
- 8 代表曲6 One Armed Bandit – Super Bass
- 9 代表曲7 Now’s The Time – Ray Brown & Friends
- 10 代表曲8 F.S.R. (For Sonny Rollins)
- 11 レイ・ブラウンの重要なアドバイス
レイ・ブラウンの経歴
レイ・ブラウンは、1926年ペンシルバニア州ピッツバーグに生まれました。(マイルス・デイヴィスと同い年)
子供の頃からピアノのレッスンを受け、高校時代はトロンボーンを吹いていましたが、学校のジャズオーケストラのベースに欠員が出てウッドベースを演奏することになりました。
高校時代から地元では注目される存在になり、1946年(20歳)にニューヨークへ引っ越しました。
ニューヨークに来て、ディジー・ガレスピーと演奏するまで、それ程時間は必要ありませんでした。
さっそくチャーリー・パーカー、バド・パウエルなど名だたるジャズ・レジェンド達との共演もスタートします。
1947年(21歳)でジャズ・ボーカリストのエラ・フィッツジェラルドと結構しました。5年後に離婚することになりましたが、離婚後も二人は共演しています。
1951年(25歳)ミルト・ジャクソンがジョン・ルイスらとミルト・ジャクソン・カルテットを結成していますが、当時の録音にレイ・ブラウンが参加しています。

1952年(26歳)ピアノのオスカー・ピーターソン・トリオに参加しています。
1966年(40歳)までこのトリオには在籍し、レイのキャリアの中でも最も知られた時期を過ごしました。
オスカー・ピーターソン・トリオの演奏では名盤と呼ばれる演奏も多く残しています。
その後、ソニー・ロリンズのアルバムへの参加。
デューク・エリントンとの共演など、安定した演奏で後進のお手本のような演奏を残してきました。
またリーダーアルバムも数多く発表しており、ジャズベースの教則本「Ray Brown’s bass method」を書くなどジャズシーンにおいて重要な役割を担ってきました。
また晩年には、ベーシスト3人の異色ユニット「スーパーベース」を結成し活動するなど、ジャズの発展に大きく貢献しています。
2002年(75歳)死去
レイ・ブラウンの特徴
レイ・ブラウンは、ジャズ初心者には少し知名度が低いのかもしれませんが、もうたいへんなジャズ・ベのレジェンドです。
ベーシストとしてジャズの教則本も出しているのでモダンジャズに興味を持った人は、レイ・ブラウンは聴くべきです。
一番有名な経歴は、オスカー・ピーターソンとのトリオを15年間続けたことです。
オスカー・ピーターソン・トリオは、もちろんオスカー・ピーターソンのリーダーバンドですが、レパートリーとアレンジの大半はレイ・ブラウンが担当していたとか。
それだけでもレイ・ブラウンを見る目が変わってしまいます。
演奏の特徴は、ソロよりもウォーキングベースです。
YouTubeで本人が説明している映像を見ても、音楽を作るひとつのパートとしてのベースを強調しています。
ソロの派手さはないもののシンプルなベースが一番ということですね。
いい評判しかないレイ・ブラウンですが、ネットを見ているとジャズ喫茶「松和」のひとりごとのブログに少しだけ厳しい意見もありました。

レイ・ブラウンは、自分よりも格上と思える人との演奏は、その演奏の邪魔をしないよう音楽としてバランスのいい演奏をするが、自分よりも格下と思うとガンガン演奏して一気にバランスが悪くなるとか。
我々素人がセッションする時もそんな気持ちが演奏に出てしまいますが、こんなレジェンドでも演奏に現れるのは驚きです。(でも普通ここまで聴き分けられる人はいないと思います)
レイ・ブラウンが演奏する「酒バラ」は、YouTubeでベースの各先生が、その演奏について細かく説明してくれていますので、ジャズ初心者には嬉しいですね。
是非、レイ・ブラウンのベースをもう一度聴いてみてください。