ハンク・ジョーンズは、アメリカ出身のジャズ・ピアニスト、バンドマスター、作曲家です。
ジャズの世界で長く第一線で活躍しアメリカ国民芸術勲章を授与したジャズ・レジェンドです。
この記事では、ハンク・ジョーンズの経歴と代表曲をジャズ初心者に向けてどこよりも分かりやすく紹介します。
目次
- 1 ハンク・ジョーンズの経歴
- 2 ハンク・ジョーンズの特徴
- 3 代表曲1 Confirmation (at the Village Vanguard Vol.2)/ The Great Jazz Trio
- 4 代表曲2 Wave ( At The Village Vanguard Again)/ The Great Jazz Trio
- 5 代表曲3 I Remember You
- 6 代表曲4 Nica’s Dream
- 7 代表曲5 Autumn Leaves (Somethin’ Else)
- 8 代表曲6 I Got Rhythm
- 9 代表曲7 Thad’s Pad(Urbanity)
- 10 代表曲8 My Favorite Things, Over The Rainbow,
- 11 代表曲9 Speak Low(Lazy Afternoon)
- 12 Tokyo Jazz 2006 – Hank Jones Trio, Sadao Watanabe, Chick Corea, Hiromi, Austin Peralta
ハンク・ジョーンズの経歴
ハンク・ジョーンズは、1918年にアメリカのピッツバーグで生まれたジャズ・ピアニストです。(マイルス・デイヴィスより8歳年上)
音楽一家で生まれたハンク・ジョーンズは、幼い頃から兄弟の影響もありピアノを習っていました。
ちなみに10人兄弟の中でも弟はサド・ジョーンズがトランペッター、エルビン・ジョーンズがドラマーとそれぞれ世界的にも有名なジャズ・ミュージシャンになっています。
20代後半にラッキー・トンプソンとの出会いがありニューヨークに移住してクラブで働くようになりました。
当時のハンク・ジョーンズは、一流ミュージシャンの演奏を聴いて刺激を受けながら猛練習を続けており、生涯を通じてハンクの練習ぶりは徹底していました。
1947年(29歳)初リーダーアルバム「アーバニテイ」を発表。
1948年(30歳)エラ・フィッツジェラルドの伴奏者を始め、若くして熟練した演奏を披露しています。

1952年(34歳)この頃ハンクは、チャーリーパーカーと共演しており、テディ・コティック、マックス・ローチ共に歴史的な録音を残しております。
ハンクの演奏はますます一流ミュージシャンの信頼を得て、ポール・チェンバース、レスター・ヤング、ヘレン・メリルらと共演することになりました。
1958年(40歳)実質マイルス・デイヴィスがリーダーと言われ、名義はキャノンボール・アダレイがリーダーとなっている「サムシン・エルス」の録音に参加しました。
当時、ジャズの第一線で活躍しながらCBSスタジオのスタッフとしてピアニストだったハンクは、テレビのエド・サリヴァン・ショーで多くのレジェンド達(フランク・シナトラ、クリス・コナー、ウェス・モンゴメリー、ビリー・ホリデー)と共演してきました。
マリリン・モンローが歌った「ハッピー・バースティ」の伴奏もピアノはハンクとして有名。
1975年(57歳)グレイト・ジャズ・トリオを結成。
グレイト・ジャズ・トリオは、ハンクがリーダーでメンバーは、ロン・カーター、トニー・ウィリアムスでスタート。
その後、そうそうたるメンバー変更を続けながら2010年までハンク・ジョーンズが亡くなるまで活動していました。
またハンク・ジョーンズは親日家としてもよく知られており、「東京JAZZ」「ブルーノート東京」にも出演しています。
2010年(91歳)直前まで音楽活動をしていましたが、ニューヨークにて亡くなりました。
ハンク・ジョーンズの特徴
ハンク・ジョーンズは、ジャズ・ピアニストとして長期にわたり活躍したレジェンドです。
共演したメンバーもチャーリー・パーカーなどそうそうたるメンバーと共演してきました。
ただ「最も好きなジャズ・ピアニストは?」と聞かれると一番にハンクの名前を上げる人は少ないかもしれません。
おそらくジャズの世界では新しい音楽を作る人に価値があると思われているところがあり、ハンク・ジョーンズの場合、実直にモダン・ジャズのみをやってきたからかもしれません。
おそらくハンク・ジョーンズという人は、控えめで人間的に出来た人ではないかと思います。
自分の演奏を聴かせたいという気持ちよりもバンドとして自分のピアノをどのようのうに演奏するのが一番いいのか、を冷静に判断できるのだと思います。

なので、どの演奏を聴いても他の演奏者とバランスのよい演奏を聴くことができます。
多くのジャズ・レジェンドがそれを認めて共演してきましたが、ハンク・ジョーンズは、自分ではそれほど前に出ることがなかったので、他のジャズ・ピアニストと比べると知名度としては少し低いのかもしれません。
マイルス・デイヴィスより9つ年上の時代に生まれてお酒、薬をせずに晩年も多くの後輩に慕われて演奏してきたことを考えると、よほど人間が出来た人だったと考えるのが妥当だと思います。
心地よいジャズ・ピアノを聴きたくなった時には、ハンク・ジョーンズのピアノはおすすめです。