アート・ペッパーは、アメリカ生まれのアルト・サックス奏者です。
ジャズの全盛期に活躍し日本でも最も人気のあるアルト・サックス奏者と言っても過言ではありません。
そんなアート・ペッパーの経歴と代表曲をジャズ初心者向けにさくっと分かりやすく紹介します。
目次
- 1 アート・ペッパーの経歴
- 2 アート・ペッパーの特徴
- 3 代表曲1 You’d Be So Nice to Come Home To – アート・ペッパー・ミーツ・ザ・リズム・セクション+1
- 4 代表曲2 The trip
- 5 代表曲3 Lover Come Back to Me
- 6 代表曲4 You Go To My Head
- 7 代表曲5 Street of Dreams – Stan Kenton and His Orchestra
- 8 代表曲6 Blues In – Modern Art
- 9 代表曲7 Winter Moon
- 10 代表曲8 Surf Ride – Art Pepper
- 11 代表曲9 Straight Life
アート・ペッパーの経歴
アート・ペッパーは、1925年9月1日にカリフォルニア州ガーデン・グローブで生まれたアルト・サックス奏者です。(マイルス・デイヴィスより一つ年上)
アート・ペッパーはアメリカのジャズ・サックス奏者であり、その実績は、ジャズの歴史にしっかいと足跡を残しています。
少期にクラリネットを演奏し、最終的にアルト・サックスへと移行しました。
1940年代初頭から中盤にかけて、彼はスタン・ケントン楽団などのバンドで演奏し、多くのジャズ・プロジェクトに参加しました。
アート・ペッパーの演奏は、その激しいテクニックと感情的な表現力で知られ、ジャズ・ファンの間で高い評価を受けました。
しかし、ペッパーのキャリアは薬物乱用や法的問題によってしばしば中断されました。
アート・ペッパーは、薬物依存症に苦しみ、その問題が彼の才能やキャリアに影響を与えました。
1950年代後半から1960年代初頭にかけて、彼は自身のリーダーとしていくつかのアルバムをリリースし、その中でも『アート・ペッパー・ミーツ・ザ・リズム・セクション』(32歳)や『アート・ペッパー・プラス・イレヴン』(34歳)などの作品は特に評価が高いです。
これらのアルバムは、彼の独特なスタイルと洗練された演奏を示すものでした。
その後、彼は1970年代初頭まで薬物依存症と刑務所での時間に苦しみましたが、1970年代後半になると復活し、再び音楽活動を開始します。
アート・ペッパーの再出発後も、彼のアルト・サックスの演奏は依然として多くの人々に感銘を与えました。
アート・ペッパーは、自伝的な作品『ストレート・ライフ』(55歳)を出版し、その人生や音楽に関する詳細を語りました。
彼のキャリアは波乱に満ちたものでしたが、彼の音楽はジャズ史において重要なものと見なされています。
1982年(56歳)で死去。
彼は優れた音楽家としての地位を確立し、その音楽は今日でも多くの人々に影響を与え続けています。
アート・ペッパーの特徴
アート・ペッパーは、アルト・サックス奏者としてとても有名です。
筆者は、ジャズを始めるまではほとんど知らなかったのですが、少しジャズを知るようになってからアート・ペッパーの知名度の高さを知りました。
ひと言で言うと繊細で感情豊かな表現力で聴かせるサックスです。
ジャズの細かいジャンル分けでは、ウェストコースト・ジャズに分類されます。
またアート・ペッパーは、麻薬依存症が理由で途中演奏活動を出来なかったこともあり、その経歴は少しチェット・ベイカーと似ているのかもしれません。
ジャズのレジェンドは、自身の演奏スタイルを変えて新しい演奏スタイルに挑戦する派と生涯自分の得意な演奏スタイルだけで演奏し続けいる派がいますが、アート・ペッパーは後者にあたります。
当時、電化ブームが起こり多くのジャズマンがその方向に流れて行ったのに対し、アート・ペッパーは、オーソドックスな演奏スタイルを貫きました。
そのような演奏は、日本人ファンにはとても好かれました。
アート・ペッパーの代表アルバム『ミーツ・ザ・リズム・セクション』は、音質が良いということも有名で、日本の当時のオーディオマニアにとって音質をチェックするのによく使われていたようです。
この辺りもアート・ペッパーは、日本でファンが多い理由のひとつかもしれません。
ウェストコースト・ジャズは比較的サラっとしていて、ジャズ初心者には聴きやすい演奏スタイルですが、その代表選手のアート・ペッパーは、ジョン・コルトレーンに傾倒していきます。
ジョン・コルトレーンの演奏スタイルは、ウェストコースト・ジャズとは真逆のスタイルになりますが、それに傾倒し見事に自分のスタイルに取り入れたアート・ペッパーは、さすがです。
ズのアルト・サックス奏者のランキングでは、アート・ペッパーは当然10位以内には入ってきます。
ジャズ初心者の方にも是非聴いてほしいミュージシャンの一人です。