ジェローム・カーンの経歴から代表曲まで全て紹介します!ジャズ初心者に紹介したい作曲家です。

ジェローム・カーン 表紙 ジャズ

ジェローム・カーンは、ミュージカル五大作曲家の一人として有名で、特に「アメリカ人最初の作曲家」と呼ばれています。

ここでは、ジェローム・カーンの経歴から代表曲まで初めての人にも分かりやすく紹介したいと思います。

「煙が目にしみる」などジャズスタンダードも多く残しているのでジャズファンにも是非知っておいてほしい作曲家です。

ジェローム・カーンの経歴

ジェローム・カーンは、1885年にニューヨークに生まれました。

デューク・エリントンより14歳も年上になります。

父親は、ドイツ系ユダヤ人のビジネスマンで裕福な家庭でした。息子のカーンにはビジネスの世界に進むことを望んでいましたが、幼少期にピアニストだった母親からピアノを習っており、音楽に興味を持ち音楽の世界に進むことになります。

当初、ドイツの音楽学校に通っていましたが、肌が合わないとニューヨークに戻りティンパンアレーと呼ばれるところでソング・プラガーという仕事をしながら曲を作ることになります。

ソング・プラガーとは

昔レコードが普及していない時代(1890年代後半)に音楽出版社から譜面が発売されていて、それを買いに来る人に向けて、譜面通り弾いたり歌ったりしてどんな曲なのか教えてあげる職業です。

その音楽出版社が集まっているブロードウェイ6丁目をティンパンアレーと読んでいました。

ちなみにミュージカル五大作曲家では、ジェローム・カーン意外にジョージ・ガーシュインもソング・プラガーでした。

ジェローム・カーンが作曲家として第一歩を踏み出した1900年代初頭のブロードウェイと言えば、ウィーンで作られたオペラやイギリスのコメディーが上演されていました。

「ゼイ・ディドゥント・ビリーヴ・ミー」が大ヒット(1914年)

1914年にイギリスのミュージカル「ユタから来た娘」の為に書いた「ゼイ・ディドゥント・ビリーヴ・ミー」が大ヒットとなりジェローム・カーンの名前が世間に認知されることになります。

そこから脚本家のガイ・ボルトンと組んでブロードウェイ・ミュージカルを始めました。

今までブロードウェイで上演されていたミュージカルは、ヨーロッパから入ってきたオペラやコメディーでしたが、アメリカの日常的な物語を取り入れることでオリジナリティあるミュージカルを作成しました。

これが、現在のブロードウェイ・ミュージカルの幕開けとなります。

ジェローム・カーンはユダヤ系ではありますが、アメリカで生まれていることから「アメリカで生まれた最初の作曲家」と呼ばれるようになりました。

ミュージカル「ショウボート」を発表(1927年)

ジェローム・カーンを最も代表するは、このミュージカル「ショウボート」になります。

原作は、アメリカの女性作家エドナ・ファーバーの小節「ショウボート」。作詞・脚本はオスカー・ハマースタイン2世です。

オスカー・ハマースタイン2世は、リチャード・ロジャースの曲にも詞を書いていた人ですね。

「ショウボート」は、当時のアメリカのリアリティあふれる人種差別にも触れたミュージカルで、物語の展開を設定に即して歌う初めてのミュージカルとして称されています。

舞台で黒人音楽であるブルースが採りあげられたのも「ショウボート」が最初です。

ジェローム・カーン 死亡(1945年)

1945年「ショウボート」のリバイバルのため、西海岸からニューヨークへ来ていたときに、脳溢血のため路上でたおれ、60歳で帰らぬ人となりました。

代表曲1 オール・ザ・シングス・ユー・アー All the things you are

ジェローム・カーンを紹介する時にジャズ好きな人には、最初に紹介したい曲が、「オール・ザ・シングス・ユー・アー」です。

ミュージカル曲としてジェローム・カーンが曲を書きオスカー・ハマースタイン2世が詩を書いて、この曲を作りました。

ジャズで有名になったのは、チャーリー・パーカー。

今ではおなじみのイントロは、チャーリー・パーカーがラフマニノフの「鍵」からヒントを得て作ったとか。

このミステリアスなイントロと綺麗なメロディーを結びつける辺りが、チャーリー・パーカーが天才と言われるところですね。

代表曲2 ソング・イズ・ユー (Song is you)

「ソング・イズ・ユー」もオスカー・ハマースタイン2世と作った曲として有名です。

代表曲3 The way you look tonight

「The way you look tonight」もジャズスタンダードで多くの人が演奏している一曲です。

フランク・シナトラの歌も有名ですが、今回はブルー・ミッシェルの演奏を紹介します。

代表曲4 イエスタデイズ

私は、ジャズを本格手に始めるまで「イエスタデイズ」を知りませんでした。

一般的にはビートルズのイエスタデイと混同してしまいますよね。

この曲は、オットー・ハーバックが作詞して1933年に発表されています。

と言うことは、ビートルズのイエスタデイより圧倒的にジェローム・カーンの「イエスタデイズ」の方が先ですね。

代表曲5 煙が目にしみる

1933年 ミュージカル「ロバータ」の中の曲で作詞はオットー・ハルバック。

1958年には、コーラスグループのザ・プラターズによって、リバイバル・ヒットして、ザ・プラターズの曲として認識している人も多いかもしれません。

代表曲6 ゼイ・ディドゥント・ビリーヴ・ミー (They Didn’t Believe Me)

1914年のミュージカル「ユタから来た娘」のために書いた曲が、「ゼイ・ディドゥント・ビリーヴ・ミー」です。

ジェローム・カーンが書いた曲で初めて大ヒットした曲がこの曲になります。

お気付きだと思いますが、ジェローム・カーンはミュージカル曲の作曲家ですが、今まで紹介しているのは、全てジャズの音源です。

時代が古すぎるのかyoutubeの音源には、ミュージカルの音源はほとんど残されていませんでした。

代表曲7 オールマン・リバー (Ol’ Man River)

1927年にブロードウェイ・ミュージカル「ショウボート」が上演されます。

「ショウボート」の中で歌われていたのが「オールマン・リバー」です。

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