フリー・ジャズについて初心者に分かりやすく説明したいと思います。
結論を先に言うと私は、フリー・ジャズはおすすめしません。
でも、あなたが全く聴いたことないのであれば、一度は聴いてみてもいいかなと思います。
少し否定的な言葉を使ってしまうかもしれませんが、もしもあなたがフリー・ジャズにハマるとなかなか抜け出せなくなるような、毒のある魅力を持っている音楽が、フリー・ジャズなのです。
目次
フリー・ジャズの歴史
フリー・ジャズは、1950年代後半から1960年代前半までに流行ったジャズの演奏スタイルです。
当時アメリカでは、ビバップからクール・ジャズ、ハード・バップが台頭しモード・ジャズも誕生して、とにかく新しい音楽が生み出されていた時代です。
ちなみにモード・ジャズで有名なマイルス・デイビスの「カインド・オブ・ブルー」は、1959年にリリースされています。
そんな時代背景の中、オーネット・コールマン(アルトサックス)が、ドン・チェリー、チャーリー・ヘイデンらと始めたのがフリー・ジャズです。
イメージとしては、フリー・ジャズ=オーネット・コールマンと理解するだけでも大丈夫です。
後、セシム・テイラーもフリー・ジャズにおいて重要人物ですね。
日本では、山下 洋輔。
フリー・ジャズの歴史を語るうえでオーネット・コールマンを覚えてもらっただけで、この記事を書いた甲斐があったというものです。
フリー・ジャズの特徴
フリー・ジャズの特徴を語る前に簡単に音楽の三大要素のおさらいです。
・メロディー
・ハーモニー
・リズム
音楽の三大要素を全て否定して演奏するスタイルが、フリー・ジャズです。
とにかくメロディーが意味分からない曲もあります。
せめてリズムだけでも、と思いますが、リズムもなくなる時もあります。
ハーモニーもあってないような、それがフリー・ジャズです。
ギリギリ同じフレーズの繰り返しがあったり。
不協和音的なコードがあったりします。
今まで聴いたこともない刺激を体全体に浴びることが出来るのが、フリー・ジャズです。
正直言うと私にはフリー・ジャズはよく分かりません。分からないので好きではありません。
しかしながら、覚悟を決めて聴いてみると、得体の知れないパッションを感じることが出来ます。
フリー・ジャズの特徴は、「得体の知れないパッション」なのかもしれません。
絵画には抽象画があります。
ファッションショーでモデルが着ている服を理解出来ない時があります。
それと同じように音楽の三大要素を全て否定して生まれた演奏スタイルが、フリー・ジャズなのです。
フリー・ジャズを調べていると同義語とも言えるような演奏スタイルがあったので紹介しておきます。
オーネット・コールマン 「ジャズ来るべきもの」
オーネット・コールマンが、最初にドン・チェリー、チャーリー・ヘイデンを率いてリリースしたのは、「サムシング・エルス」です。
ただ、「サムシング・エルス」は聴いてみると思ったほど聴きづらくはないです。
「ジャズ来るべきもの」あたりからガンガン来るようになっています。
オーネット・コールマン「ダンシング・イン・ユア・ヘッド」
刺激的な音楽ですが、無茶苦茶ではないんですよね、と思いきやこのライブ映像は途中からガンガン来ています。
聴きすぎには注意してください。
セシム・テイラー 「アキサキラ」
フリー・ジャズを紹介するうえでもう一人忘れてはいけない人が、セシム・テイラーです。
セシム・テイラーは、クラシック音楽の教育を受けフリー・ジャズの世界に飛び込んでいます。日本のフリー・ジャズピアニスト山下洋輔にも多大な影響を与えたピアニストです。
ドン・チェリー 「Brown Rice」
ドン・チェリーは、オーネット・コールマンの「サムシング・エルス」でデビューしたトランペット・コルネット奏者です。
小さなトランペットを吹いているように見えますが、本当はポケット・コルネットらしいです。センスの塊のようなミュージシャンで見たこともないようなアフリカの楽器も演奏していました。ボーカルもやりますね。
山下洋輔トリオ 「Montreux Afterglow」
フリー・ジャズを知るには、日本人では山下洋輔を知っておくべきだと思い紹介します。
山下洋輔は、子供の頃から音楽に溢れた家に育ち中学生の頃にはジャズを始めました。
国立音楽大学の作曲家を卒業し、大学の頃から自由に自分のやりたい音楽をやっています。
交友関係も非常に広く福岡公演の際、タモリに会ってタモリがデビューするきっかけを作ったとか。