ジャズのセッションでおすすめするラテンジャズの有名曲を11曲に厳選して紹介します。
ジャズ好きの人は、本当にスウィングのリズムが好きなので、セッションをやっていると何曲も連続でスウィングの曲をやっている時があります。
そんな時、ラテンジャズの曲が入るとより一層盛り上がります。
ドラマーは、腕の見せどころですね。
この記事ではジャズのセッション初心者向けに、セッションでおすすめするラテンジャズの有名曲を紹介します。
ジャズのセッションでは、このスタンダード11曲が出来れば、他のラテンの曲はそれ程やらないので安心してセッションに参加出来ます。
目次
- 1 リコーダミー(Recorda me)
- 2 キャラバン(Caravan)
- 3 リメンバー・エイプリル(4月の思い出)(I’ll Remmember April)
- 4 ラブ・フォー・セール(Love for Sale)
- 5 リカード・ボアノヴァ(Recado Bossa Nova またはThe Gift)
- 6 セント・トーマス(St. Thomas)
- 7 サンバ・デ・オルフェ(Samba de Orfeu)
- 8 チュニジアの夜 (A Night in Tunisia)
- 9 スペイン(Spain)
- 10 オン・グリーン・ドルフィン・ストリート(On Green Dolphin Street)
- 11 ブルー・ボッサ(Blue Bossa)
- 12 セッションでおすすめのラテンジャズ 有名曲11選 まとめ
リコーダミー(Recorda me)
「リコーダミー」は、ラテンジャズを代表する曲で、ジャズ好きなら誰でも知っている名曲です。
テナーサックス奏者のジョー・ヘンダーソンが、作曲したラテンの曲です。
ジョー・ヘンダーソンは、ジャズのレジェンドで他のミュージシャンが残した歴史的なアルバム、例えばホレス・シルバーの「ソング・フォー・マイ・ファーザー」、リー・モーガンの「ザ・サイドワインダー」などの演奏に共に名前をきざんだサックス奏者です。
このリコーダミーは、「ページワン」に録音された曲で、このアルバムでは「ブルー・ボサ」も録音されています。
リコーダミーの特徴は、テーマ頭のメロディーです。初めて聞いた時、「どうしたらこんな曲が書けるのか?」と衝撃を受けたほどです。
後テーマに入る前のドラムソロもかっこいいですね。
音源は、アート・ファーマーが演奏している「リコーダミー」を紹介したいと思います。
キャラバン(Caravan)
デューク・エリントンが作曲したキャラバンもセッションでよく演奏されるラテンジャズのスタンダード曲です。
厳密に言うと、作曲は同じ楽団のトロンボーン奏者ファン・ティゾールと一緒にエリントンが作曲していました。
アラビア音階のエキゾチックなメロディーが特徴的です。
アフロキューバン・ジャズの代表曲ですね。
問題は、テーマが64小節あって長いので、ソロはワンコーラスで切り上げることをおすすめします。(初心者向け)
キャラバンも定番中の定番なのでいろいろな人の音源を聴くことが出来ますが、ナット・キング・コールのキャラバンを紹介します。
簡単に歌っているように聞こえますが、リズムを遅らせながらピタリと合わせてくるリズム感はなかなか真似出来ません。
リメンバー・エイプリル(4月の思い出)(I’ll Remmember April)
リメンバー・エイプリルもセッションでよく演奏されるスタンダード曲のひとつです。
この曲の特徴は、ラテンとスウィング(4ビート)が1曲の中に入っていること。
なのでドラムの難易度は高いです。
この曲をやる時は、ドラマーの熟練度を見て判断してください。
(ドラム初心者にこの曲をリクエストすると困る人もいるかもしれません。)
ドラムが上手い人なら、リクエストすると水を得た魚のように喜んで叩いてくれます。
安定感抜群のスタン・ゲッツの「リメンバー・エイプリル」を紹介します。
ラブ・フォー・セール(Love for Sale)
コール・ポーター作曲のスタンダードナンバーが、「ラブ・フォー・セール」です。
1930年にブロードウェイのミュージカル「ザ・ニューヨーカーズ」で使用された曲としても有名。
キャラバンと同様64節の長い曲です。
昔の演奏は、スウィング(4ビート)で演奏されている場合も多いですが、一般的にテーマは、サビの16節だけスウィングで後はラテンで演奏されることが多いです。
リカード・ボアノヴァ(Recado Bossa Nova またはThe Gift)
題名にボサノヴァと付いているのでジャンル分けするとボサノヴァだと思いますが、通常の癒し系のボサノヴァではなく、ハード・バップとボサノヴァをミックスしたアップテンポで演奏することが主流になっています。
1965年頃流行るようになった曲なので意外と歴史は浅いですね。
「リカード・ボサノヴァ」も64小節の曲です。結構、ラテンの曲は64小節が多いですね。長くならないように注意したいところです。
セント・トーマス(St. Thomas)
ジャズのレジェンド ソニー・ロリンズが作曲した「セント・トーマス」です。
一般的にCで演奏されるので初心者にも比較的とっつきやすい曲ですね。
私も随分前に発表会でやりました。上手く雰囲気をつかめば、白鍵だけで弾けるのは嬉しいところです。
この曲のリズムは、カリプソと言います。
カリブ音楽のリズムになりますが、「セント・トーマス」で初めてジャズとして演奏されています。
ソニー・ロリンズのソロパートの出だしは、とても有名です。パクるのではなく、リスペクトという意味で最初の8小節くらいコピーしても悪くないと思います。
サンバ・デ・オルフェ(Samba de Orfeu)
「サンバ・デ・オルフェ」は、映画「黒いオルフェ」の挿入曲として有名です。
この曲も基本的にCなので初心者も安心です。
リズムは、典型的なサンバなのでドラムの聞かせどころですね。
チュニジアの夜 (A Night in Tunisia)
1942年にトランペット奏者のディジー・ガレスピーが作曲してスタンダード曲になったのが、「チュニジアの夜」です。
チュニジアの夜は、アフロとスウィング(4ビート)の入った曲なので、難易度は一段と高いです。ドラムがセッションホストの時にやると気持ちよく叩いてくれます。
絶対外しちゃいけないキメがあるので、セッションで演奏する場合は、しっかり予習が必要です。
ピアノのイントロとテーマ最後の4小節のブレイクはお決まりです。
スペイン(Spain)
「スペイン」は、チック・コリアがリターン・トゥ・フォーエヴァーの中で発表した名曲で、今ではジャズのスタンダードナンバーとしてすっかり定着しています。
「スペイン」は、セッションの中級者のバイブルのような曲です。誰でもやりたがりますが、セッションでばっちり演奏で決めるのは、なかなかの難易度ですよ。
比較的新しい曲になりますが、もうすっかりラテンジャズのスタンダード曲と言っても問題ないです。
しっかり練習をして演奏されることをおすすめします。
オン・グリーン・ドルフィン・ストリート(On Green Dolphin Street)
「オン・グリーン・ドルフィン・ストリート」は、作曲家ブウロニスロー・ケイパーが1947年映画「大地は怒る」の為に作った曲です。
この曲もラテンとスウィングが混在する曲でセッションでは必ず盛り上がります。
お決まりとして最初の8小節と17小節目からの8小節をラテンでやります。
テーマを32小節やる時もあります。(黒本は36小節表記ですよね)
なのでセッションの際は、メインの人がどの尺でやるか、ひと言説明してあげるとやり易いですね。
昔の音源では、全てスウィングで演奏していました。おそらく誰かがラテンを入れるようになってそれが主流になっています。いつからラテンを入れるようになったか、詳細は分かりませんでした。
渡辺香津美の演奏が、巷のセッションでやっている典型的な演奏でしたので紹介します。
テーマ36小節、ソロになると32小節で回すやつです。
ブルー・ボッサ(Blue Bossa)
「ブルー・ボッサ」は、超スタンダード曲ですが、意外と新しく1963年にケニー・ドーハムが作曲した曲です。
テーマは16小節同じメロディーを2回繰り返します。
ソロに入ると16小節繰り返すのは、複数回でないとテーマの長さと違って変かなと迷ったことがありましたが、16小節を奇数回やっても問題ありません。
気にせず演奏してください。
ケニー・ドーハム作曲ではありますが、この曲のベースラインは、ジョー・ヘンダーソンが演奏したブルー・ボサが有名ですので、こちらの音源を紹介しておきます。
セッションでおすすめのラテンジャズ 有名曲11選 まとめ
初心者向けにジャズのセッションでおすすめするラテンジャズの有名曲を紹介しました。
ジャズのセッションは、スウィングがメインですが、時々ラテンジャズが入るとよりいっそう盛り上がります。
本当に初心者の場合は、やりたい曲を自分で申請してやるのがいいと思いますが、少し慣れてきて周りの雰囲気が見えるようになると、自分の順番の時に今回紹介したラテンジャズを入れるといいと思います。
事前に練習してジャズを楽しみましょう!